山ノ内町空き家等再生事業補助金
県内全エリア
町内にて空き家等を活用し店舗等を営もうとする個人又は法人を対象とした補助金です。空き家等の改修に対する補助と賃借料に対する補助の2種類があります。 ①改修費補助:対象経費の4/10で最大150万円(休眠スペースは90万円) ②家賃補助:対象経費の2/3で最大60万円(2年目以降は補助率、限度額が変わります)
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大町市「空き店舗活用事業」補助金
大町市
この制度は、大町市内の中心市街地の空き店舗を使用して開業しようとする方を支援し、商店街の活性化を図ろうとするものです。家賃補助と改修費補助があります。補助率は家賃2分の1いない、月額10万円限度を12月、改修費は3分の1以内、限度額100万円。
要件等詳細は、大町市ホームページをご覧ください。
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木曽川源流の里きそむら創業支援補助金
木曽エリア
地域産業の振興及び活性化を図ることを目的とし、村内で創業する者に対し、補助をします。
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SOU-Online 2025年度のご紹介
県内全エリア

3年目となるSOUは、内容をアップデートしてみなさまにお届けいたします。
SOU事業の詳細および、メンターのご紹介をオンラインで行います。
ぜひお気軽にご参加ください!
【開催概要】
日時:5月28日(水)12時〜13時
場所:オンライン
費用:無料
お申込みはこちら
「SSSコーディネーター大集合~R7年度のSSSプログラムのご紹介~」
県内全エリア

R7年度の信州スタートアップステーション(SSS)がスタートしました。今年度で6年目を迎えるSSSでは、コーディネーターの陣容も充実し、多くの起業家支援プログラムを展開する予定です。今年度の盛りだくさんなプログラムとともに、個性豊かなコーディネーターを見て、あなたにとってベストな伴走者を見つけてみてください。
<日時>2025年5月15(木)12:00-13:00
<会場>オンライン(ウェビナー)
<対象者>県内の起業家、起業家予備軍、支援機関等
<内容>SSSの長野・松本に常駐するコーディネーターのご紹介、R7年度SSSのプログラムのご紹介、その他、起業時に活用できる県の補助金のご紹介や、SSSを利用するスペシャルゲスト(起業家)によるSSSを使い倒す方法についてパネルディスカッション形式でお話しさせて頂きます
<登壇者>
(SSS)佐藤崇道、森山祐樹、中川理紗子、田中亮介、久保信也
<タイムスケジュール>
12:00-12:20 SSSコーディネーターの紹介
12:20-12:30 SSSプログラムの紹介
12:30-12:50 SSS活用方法について(パネルディスカッション)
12:50-13:00 Q&A
<申込み> https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_O2PWE4HcSUqv-CDfG-yxeA
千曲市中小企業振興資金融資制度(創業支援資金)
千曲市
対象者は、市内に住所を有し、適切な事業計画及びこれを実施する経営能力を有する者で、次のいずれかに該当する中小企業者(SSS保証制度を利用するものを含む)。
■市内で新たに開業しようとする者 。
■市内で開業後1 年未満の者 貸付条件等はHPをご覧ください。
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令和7年度ソーシャル・ビジネス創業支援金(長野県地域課題解決型創業支援事業)
県内全エリア


地域の課題をビジネスの手法で解決するソーシャル・イノベーションにより創業等を行う方を支援することを目的とした事業です。県内の地域課題に対する社会的事業の創業者等に対し、創業等に必要な経費を補助します。
ご興味のある方は当機構ホームページをご覧ください。
コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業補助金公募のお知らせ
県内全エリア
「信州ITバレー構想(令和元年9月策定)」の具現化に向けて、県内IT中小企業が取り組む産学官連携コンソーシアムを活用した共創により、革新的なITシステム開発に要する経費に対して補助金を交付します。つきましては、補助事業者を広く募集いたしますので是非ご応募ください。
ふるさと起業家支援事業補助金 事業者募集!
松本市

1 概要
ふるさと納税を財源にした補助金で、新たに事業を立ち上げようとしている方
が対象です。「クラウドファンディング型ふるさと納税」により寄附金を募り、
経費を除いた金額を補助金として起業家に交付します。
※別途、上乗せ補助あり(設備費のみが対象)
2 対象エリア
安曇・奈川エリア
3 対象事業
地域活性化に資する新規事業
4 補助金
寄附金から経費を除いた金額 + 上乗せ補助(上限100万円)
5 申請期間
令和7年5月15日(木)まで。
6 事業の特徴
・ふるさと納税型で通常のクラウドファンディングより寄附金が集まりやすい
・上乗せ補助がある(設備費限定)
・専門家(経営者)のアドバイスを受けながら事業を実施できる
信州アクセラレーションプログラム成果報告【イベントレポート】

信州スタートアップステーション(SSS)では、長野での創業を考えている方や、支援機関の方向けのオンラインセミナーを定期的に開催しています。
11期目となる令和6年度は、人々のウェルビーイング向上や地域産業の課題解決を目指すソーシャルアントレプレナー3社が採択されています。
3月10日に長野市内で行われた成果報告会では3社の代表が登壇し、事業の内容やプログラムの成果を発表し、発表後は多様な参加者同士のネットワーキングも行われました。当日の様子をレポートします。

まずは長野県経営総合支援課による開会の挨拶のあと、信州スタートアップステーション運営より「アクセラレーションプログラム」についての説明が行われました。
「アクセラレーションプログラム」では、年に2回、公募により選定した企業等を対象に、数カ月間にわたりコーディネーター、メンターが起業家の様々な経営課題に対して短期集中型の伴走支援をします。
対象となるのは、明確なプロダクトやサービスが確立していない段階の創業における「シードステージ」にいる企業や事業者です。課題の解決に向けて、運営受託者のコンサルティングやメンター・アドバイザーによる支援、ヒアリングの機会の設定などを短期間で集中的に行います。
11期目となる令和6年度は、人々のウェルビーイング向上や地域産業の課題解決を目指すソーシャルアントレプレナー3社が採択されています。
いつものコーヒーに健康習慣をプラスする

続いて、各社の成果発表が行われます。まず一人目の登壇者は、株式会社ARARAT CREWS代表取締役・上野真路さん。株式会社ARARAT CREWSは、大学発のベンチャー企業であり、代表である上野さんの食に関する原体験をもとに、食×ヘルスケアの領域で事業を展開しています。現在は、いつものコーヒーにプラスしてヘルスケアをサポートするオイル「PERFECT PERFORMANCE COFFEE OIL」の開発・販売を行っています。
アクセラレーションプログラムでは、まずはSSSコーディネーターとの壁打ちとメンタリングを通じて抽象度の高かった課題の洗い出しと整理を行いました。そこから、具体的なペルソナを設定した上で、プロモーションビデオの撮影、継続率の向上、長野県内の展開という三つの課題を設定し、解決に向けた取り組みを行ってきました。
上野さん 「自分は大学を卒業して長野に帰ってきたので、どこのコミュニティに入ればいいのか、誰とつながればいいかわからずにいました。アクセラレーションプログラムに参加したことで、長野で人とのつながりができたことがこのプログラムに参加した一番の変化です。また、安曇野や松本の経営者の人と話す中で、『若くて頑張っている』というだけで自分を応援してくれる、賭けてくれる人がいると分かったことが自分の支えになりました。どんどん攻めていっていいとわかったので、これからの事業展開に生かしていきたいと思います」
今後は、To Cのサブスクの積み上げを測るほか、珈琲商社や専門人材との強い連携を結んでいるという強みを生かし、商品開発及びコンサルティングや、実店舗の運営に向けてさらなる事業展開を目指します。
農家とデザイナーをマッチングするレベニューシェア型デザイン伴走サービスで地域課題を解決

二人目の登壇者は、農家とデザイナーをマッチングするレベニューシェア型デザイン伴走サービス「nou×nou(ノウノウ)」を提供する株式会社Newtrial.代表取締役の松本寿治さんです。松本さんは、松川村の地域おこし協力隊としても活動しており、任期終了後は本格的な事業展開を目指します。
「nou×nou」は、「これからの農家の伴走者はデザイナーなのではないか?」という仮説から生まれたサービスです。対象となるのは、生産が安定しており、農表事業の規模拡大を目指す中規模農家です。レベニューシェア型により初期リスクを抑え、農家とデザイナーがお互いにコミットしながら農業事業の価値を最大化し、農家の収益向上を支援します。伴走支援を通じて商品価値やブランディングを向上する事で、持続的成長を目指します。
アクセラレーションプログラムでは、主にSSSのネットワーク活用のサポートを通じ、県内農家や「nou×nou」のビジネスに関連がありそうな事業者を洗い出し、アプローチ分析を経て15名にヒアリングを行いました。
松本さん 「最初に長野に来た時は、人とのつながりが無い段階だったので、事業のアイディアがあっても、地域課題に対して誰かと一緒に話してみることが出来ていませんでした。プログラムを通じて県内のさまざまな人と出会って話をし、壁打ちをすることによって、どうしたら話が出来るようになるのかがクリアになっていきました。今後事業を提案する上での道しるべになったと思います。」
ヒアリングを通じ、「サービスを整理し、シンプルでわかりやすい具体的なメニューを作成する必要がある」という課題が見えてきたことから、LPサイトの作成とサービスの見える化に着手。また、サービスを整理することで、「nou×nou」は人手不足で困っている中小企業にも応用できるのではという可能性も見えてきました。
今後は、LPサイトのリビルド、県内でのサービスの展開と実績作り、長野県から全国展開を目指します。
「ネコ科」の女性が自分らしい生き方を見つけるための仕組みを開発

三人目の登壇者は、社会に馴染めない、疎外感を感じる女性のために、自分らしい生き方を見つけるための仕組みやサービスを開発する株式会社ノイエの代表取締役である谷口 絵美さんです。
対象となるのは、発達障がい(ASD)を抱えている女性たち。人に合わせるのが疲れる、ひとりが気楽、家でゴロゴロするのが大好き。谷口さんは、そんな特徴を「ネコ科」と表現し、「ネコ科のニンゲン」の人の自分らしさを応援するサービス「nekoka」を開発しています。
アクセラレーションプログラムでは、福祉サービスに関わる人や支援者、働く女性を中心に困りごとをヒアリングし、現状と課題を洗い出しました。
ヒアリング前は、情報発信のためのWEBサイトの解説や、診断ツールやセルフチェックの開発を考えていたという谷口さん。しかし、ヒアリングを通じ、「診断を受けてもどうしていいかわからない」「重度の障がいを持つ方への支援はあれど、軽度の症状やグラデーションがある場合の支援を探すことが難しい」「お金を稼ぐ手段が必要」という課題が見えてきました。そこで、課題解決のための入り口をつくるだけでなく、スキルアップや就労支援という橋渡しを行い、出口までつくるという事業の方向性が定まりました。
谷口さん「自分がIT業界にいたことから、はじめはオンライン上で完結するプラットフォームの開発を想定していました。今回、ヒアリングを通じて現場の声を聞き、就労支援という課題解決の出口までつくるという事業の道すじが出来たことは大きな変化だったと思います。」
現在は、事業内容をわかりやすく伝えるためのロゴとキャラクターを作成し、啓蒙活動や情報提供に活用していく準備を進めています。また、その次の段階となる、スキル習得の場や、就労移行支援の場づくりに向けて県内の事業者等との連携を進めていきます。
それぞれの発表後には質疑応答の時間が設けられ、事業展開に関する具体的な質問から、アクセラレーションプログラム参加前と参加後の変化についてなど、事業に対する思いに関する質問が寄せられ、熱のこもった言葉が交わされました。
これまで35社がアクセラレーションプログラムに参加しており、かつてプログラムに参加した創業者が次期の採択事業者のヒアリングに協力したり壁打ち相手になるなど、年月を重ねて卒業者が増えるにつれて長野の創業コミュニティが形成されつつあります。今後、長野県初の事業やサービスが大きく成長し全国へと展開していく未来への風向きが感じられる報告会となりました。
「創業してみたい」気持ちがあれば大丈夫。相談窓口を利用してみませんか?

4月に新年度を迎えた信州スタートアップステーション(SSS)。
今年度も長野県から世界を目指す起業家・経営者を全力で支援する、創業支援拠点運営事業を進めて参ります。
さて、この創業支援のキーとなる活動の一つである【窓口での創業に関する無料相談】。
コンサルタント、中小企業診断士、会計士等の経験豊富なコーディネータが、相談者の創業・新規事業に関する相談対応を行い、アイデアの事業化を支援しています。

「相談窓口、ちょっと気になっているんだよね」
「私なんかが行ってもいいの?」
と、思っている方もいらっしゃるのでは?
今回は、SSS立ち上げから1200件超の支援実績を有す、創業支援コーディネーター森山祐樹さんに、SSSの相談窓口について、お話を伺いました。
窓口の利用状況からみる、長野県の創業事情
――どのような方が相談に来られているのでしょうか?

件数とすると、年間数百件の相談依頼があります。SSSの活動がスタートしてからずっと、安定して、多くの方に足を運んでいただいていますね。その中から実際に何人もの方たちが、創業されています。
エリアとしては、長野市や松本市の方が多いですが、長野への移住を前提として東京から相談に来られる方もたくさんいらっしゃいますね。移住創業に対する相談ニーズの大きさがうかがえます。
年代でみると、30代が圧倒的に多いです。相談のボリューム層である30代においては、女性の相談数が男性を超えているのも特徴的ですね。
――SSSでは女性の創業支援にも力を入れていますよね
はい。SSSでは、長野で起業している、もしくは起業したいと考えている女性の方々のための支援事業にも力を入れています。
事業アイディアのブラッシュアップなど起業に関する相談をはじめ、仕事と家庭・子育てとのバランスやコミュニケーションの取り方など、幅広く相談をお受けします。女性の支援員も多く在籍していますよ。相談場所は、ニーズに応じて、オフラインまたはオンラインをフレキシブルに選択可能です。
――自分の得意なことや、好きなことで輝けるといいですよね

「やりたい」という気持ちだけで大丈夫。気軽に相談に来てほしい。
―――創業のアイデアやプランが無いと、利用できないのでしょうか?
そんなことはないですよ!
「創業してみたい」という気持ちがあれば大丈夫です。皆さん、ご自身の趣味や得意なこと、興味があること、何かしらあると思うのですが、そういったところから、我々がお話をお伺いして、事業に膨らませるために、壁打ちのディスカッションをしていきます。
特定のものが決まっていない、事業のアイデアになるかわからないけど…という方もたくさんいらっしゃいます。3つくらい、バラバラのアイデアを持ち込まれる方もいらっしゃいますね。そういった方たちと、新しい事業を共に作り上げていくお手伝いをするのが、私達の役目です。
そもそも創業に興味がない、興味があるけどまだ手元に何もない、という方たちに向けて、幅広く相談の裾野を広げ、ご参画していただくことで、創業人口をさらに増やしていきたいと考えています。
長く相談を続けていると、「知り合いが相談に乗ってもらったと聞いて」と、紹介で来てくださる方もいらっしゃいます。旦那さんのあとに、奥さんが、というように、夫婦で利用されたケースもありますね。
―――相談員の方、気さくで話やすい方が多いと感じます
そうですね、我々は創業をもっと身近に感じてもらいたいと思っています。なるべく視野が狭くならないように、できるだけオープンに、広い視点で相談者がアドバイスを受けられるよう心がけています。「とりあえず興味があるから来てみました」、大歓迎ですよ。
―――不安の大きな資金面の話も、相談できますか?
もちろんです。資金についても、金融機関からの融資だけではなく、今はクラウドファンディングなど、様々な選択肢があります。融資についてのリアルなお話なんかもできるかと思います。
セミナーも年間を通して多数企画しているので、ぜひイベント情報はSNSや当サイトからこまめにチェックしてみてください。
相談窓口のスケジュールは以下に掲載しています。
信州スタートアップステーションウーマン(SSSW)の常駐日カレンダー
ご相談の際は、ご希望日時・場所、ご相談内容、お名前、ご住所(市町村まで)、ご希望の相談員(任意)等の情報をFBメッセンジャー ・メール(shinshuss@tohmatsu.co.jp) ・電話(070-4548-2758)よりご連絡ください。信州スタートアップステーションでお待ちしております!
地域と関わる起業。ハタケホットケ社の想い【SSSセミナーレポート】

信州スタートアップステーション(SSS)では、長野での創業を考えている方や、支援機関の方向けのオンラインセミナーを定期的に開催しています。
2024度最後のセミナーでは、起業家と地域との関わりにフォーカスし、東京から長野県に移住され、地域の課題に対し地域のコミュニティとともに関わり、それをご自身の事業にされたハタケホットケの日吉有為(ひよし・ゆうい)氏にご登壇頂きました。
また、地域コミュニティからは塩尻市スナバの三枝大祐(さいぐさ・だいすけ)氏にもご登壇頂き、起業家と関わる地域の両面からお話を頂きました。セミナーの様子をレポートします。
【登壇者】
(株)ハタケホットケ 代表取締役 日吉 有為氏
シビック・イノベーション拠点スナバ 三枝 大祐氏
進行役:信州スタートアップステーション主任コーデイネーター
「草刈りが大変!」という自分のための課題解決が地域の課題解決へ

セミナー前半では、ハタケホットケ社の日吉氏より長野移住のきっかけや、創業の経緯と成長の軌跡についてお話がありました。
日吉氏は、コロナ禍中に東京から塩尻市に移住した友人がきっかけで、家族とともに塩尻に移住しました。日吉氏「移住のきっかけになった友人の友人が、家庭菜園でお米を作っている方で、『一緒に田んぼをやろうよ』と誘ってくれて。田んぼなんて見たこともないし入ったこともなかったので、『やりたい!』と何も知らないまま家族で参加したんです」
その田んぼは家庭菜園だったため、除草剤を使っておらず、日吉さんは夏場毎週田んぼに入って草刈りに通う経験をしました。その後、初めて自分が作ったお米を食べた日吉さんは、その感動により人生観が変わったと言います。
翌年も引き続き田んぼを続ける中で、草取りの大変さを感じた日吉氏は、ものづくりが好きな友人と一緒にラジコンを応用し除草をする方法を模索し始めました。試作を繰り返し、完成品を「ミズ二ゴール」と名付けます。
さらに、塩尻で交友関係を広げるため、塩尻の団体や活動について調べる中で、シビックイノベーション拠点「スナバ」を紹介された日吉氏は、塩尻市のソーシャルイノベーション拠点「スナバ」に通いはじめます。
さまざまなプログラムに参加する中で、本格的に「ミズ二ゴール」の開発と創業に向けて動き始めた日吉氏は、2021年には、長野県のソーシャルビジネス創業支援金を活用し株式会社ハタケホットケ社を共同創業。その後、ジャパンモビリティショーへの出展や、信州ベンチャーサミットへの挑戦、クラウドファンディングでの資金調達、エンジェル投資家からの出資など、着実に事業を拡大してきました。

日吉氏 「日本の農業には高齢化と後継者不足、有機栽培への移行が遅れているという大きな課題があります。そのどれにも、『草取りの大変さ』が共通しており、ソリューションがないから前に進めない。『ミズ二ゴール』には、それを解決できる可能性があるっていうことで本当にいろんなところから注目いただいて。最初のきっかけは『草取りをやりたくない』という自分たちの思いでしたが、それが農家さんの助けになり、地域課題の解決に繋がった。最終的には国全体の課題解決につながっていくかもしれません」
創業4年目となる現在は、水田除草だけでなく、ジャンボタニシ対策や獣害対策など、地域の農に関する課題を解決する事業にも取り組んでおり、日本の持続可能な農業の実現を目指しています。
地域の中で出会った課題感を、社会と繋げながら事業に落とし込む

セミナー後半では、そんな日吉氏の挑戦を伴走してきたスナバの三枝氏から、シビック・イノベーション拠点スナバの紹介や、共創による地域課題の解決についてお話がありました。
スナバには、150人近くの登録者がおり、集まる人たちは、起業家、フリーランス、地域おこし協力隊、会社経営者、会社員、アーティスト、行政職員、小中高生など、さまざまな職種、年代の人たちです。
三枝氏 「多かれ少なかれ、誰もが『こういう地域だったら生きていきたいよね』『地域に対してこういう課題や違和感を持っているとあんまり居心地良くないよね』という思いを持ってるはず。それを『誰かがやってくれるだろう』『行政がやるべき、自分は関係ない』ではなく、自分たちだからこそできることを、小さくてもいいから誰かと一緒にアクションを起こしていく」
スナバでは、そんな人が地域の中でどんどん現れ、地域全体の中でアクションや事業が生まれていくビジョンを掲げています。そういった動きを「シビック・イノベーション」と定義し、それを担う方がどんどん増えていくような環境を作りたいなというところをミッションのもと、さまざまなプログラムを行っています。
たとえば、日吉氏も実際に参加した「SBB(スナバ・ビジネスモデル・ブートキャンプ)」という短期プログラムには、「やりたいことがあるけど、どうしたらいいかわからない」という初期フェーズの方に向けたセッションから、創業計画書の作成など具体的な手法を学ぶセッションがあります。新しく事業を立ち上げる人が、なぜその事業をやるのか、誰のために、どんな課題をどう解決したいのか、という部分を整理して線で繋ぎ、事業に生かすにはどうしたらいいかを一緒に考えます。
三枝氏 「ハタケホットケ社の初動のように、何かやりたいことやできること、人の縁から事業の型を作っていきつつ、ある程度のところまで来たら、未来視点で『事業を通してどんな未来を見たいのとか』『どんなインパクトを作りたいのか」をちゃんと定義しながら、そのビジョンと現状とのギャップを定めて、必要なリソースを特定し、それを集めるような事業計画や、どんな成長スピードでどのぐらいの規模でやっていくか、自分たちが作っていく哲学を入れ込んだ財務収支計画を作ってかないと、事業の持続的な発展は望めません。そのための支援をするプログラムもスナバでは構築しています」
セミナーの最後には、参加者からの質疑応答が行われました。移住直後の生計の立て方や、「ミズ二ゴール」の具体的な機能、どんな人ならスナバに合うと思うか、などのフラットな質疑が交わされ、さらに理解を深める時間となりました。
地域の中で出会った課題を、社会と繋げながら事業に落とし込む。さらに、さまざまな人を巻き込みながら事業を進めていく。その結果、さらに人が集まり、資金が集まり、さらに事業の幅が広がっていく好循環を生み出せる。地域と関わる事業を実現するためのエッセンスが学べるセミナーとなりました。